フッ素樹脂コーティングの会社選びガイド » フッ素樹脂コーティングの基礎知識 » フッ素樹脂の接着性

フッ素樹脂の接着性

フッ素樹脂の特性の一つに、非接着性が挙げられます。フッ素樹脂は表面がつるつると滑るような質感で、接着性が低い樹脂です。しかし、昨今ではフッ素樹脂と他の物質を接合する技術開発が進んでおり、通信や半導体技術、産業機器などさまざまな分野で問題が解決されるといわれています。ここでは、フッ素樹脂の接着性を高める加工について紹介します。

フッ素樹脂の接着性が低い理由

フッ素樹脂は、表面エネルギーが低いという特性上、接着性が低い素材です。水の付着を例にすると、表面エネルギーが低いフッ素樹脂は水を弾き、滑っていきます。表面エネルギーが高いその他の素材の場合は、水が付着すると水に濡れて湿ります。この接着性の低さゆえに、フッ素樹脂の表面は滑りやすく、接着剤や塗料に使用してもうまく定着しません。

フッ素樹脂の接着性を高めるコーティング技術

特殊な粘着剤を使用した両面テープ

積水化学では、接着性の低いフッ素樹脂にも接着できる両面テープの開発を進めています。特殊な処理は不要で、貼り合わせるだけで機能する点が魅力です。また、フッ素樹脂のみならず、金属やガラス、ポリプロピレンなどにも応用可能です。

参照元:積水化学
(https://www.sekisui.co.jp/electronics/ja/application/tape_for_fluorine.html)

表面改質の技術

国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発した、金属有機酸塩コーティングと光反応を組み合わせた技術は、高い接着性を実現しています。樹脂の変質なく粗化も数nmに抑えており、高い応用力と柔軟性を兼ね備えています。

参照元:国立研究開発法人産業技術総合研究所
(https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230928/pr20230928.html)

溶着

株式会社陽和では、溶着によってフッ素樹脂の接着性を高める技術を開発しました。溶着した箇所は溶融結合しているため、強い力を加えても外れにくい特徴があります。また、独自の溶着技術によって、接合部の盛り上がりを最小限に抑えます。

参照元:株式会社陽和
(https://www.yohwa.co.jp/media/Strengths/a15)

フッ素樹脂の粘着性を高めるコーティング技術を検討しよう!

本来フッ素樹脂には接着性が低いという特性がありますが、紹介したように、接着性を高める技術開発が進んでいます。特殊な処理が不要な両面テープや、金属有機酸塩コーティングと光反応を組み合わせた技術、溶着などがあり、用途によって選ぶといいでしょう。

フッ素樹脂コーティング会社
おすすめ3選

全国展開の
フッ素樹脂コーティング会社3

全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)

【業界のパイオニア】
フロロコート名古屋

引用元:フロロコート名古屋公式サイト
https://www.fluorocoat-nagoya.co.jp/

特徴
フッ素樹脂コーティングの日本のパイオニアとして表面改質技術と実績で業界をリード!多種多様な塗料と技術力で特注品から量産化まで対応。
対応業種

自動車、医療、半導体、食品加工機械(鉄板、窯など)、一般産業機械、化学、 ゴム、OA機器、製紙・印刷機械、繊維機械、建築、宇宙・航空

【自社オリジナル】
株式会社吉⽥SKT

引用元:吉田SKT公式サイト
https://www.y-skt.co.jp/

特徴
自社オリジナルのフッ素樹脂コーティングをはじめ多種多様な塗料をあつかっており、有機無機複合コーティングなどオリジナルのコーティング剤で対応
対応業種

自動車、医療、半導体関連、食品、宇宙・航空

【他の素材でも対応】
⽇建塗装⼯業株式会社

引用元:日建塗装工業公式サイト
http://www.nikken-toso.co.jp/

特徴
フッ素樹脂コーティングの他、自社独自の特許製品やセラミックコーティングなどフッ素樹脂以外のコーティングにも幅広く対応。
対応業種

一般産業機械、化学、半導体、食品、医療、自動車、ゴム、医薬、OA機器、製紙・印刷、繊維、建築