空焼きとは焼成炉で基材を加熱することで表面の油分を揮発・分解・酸化燃焼させて取り除く方法です。一般的な条件としては380度以上の温度で行います。
空焼きには複数のメリットがあります。溶接の隙間や小さな穴など有機溶剤などでは脱脂しにくい箇所も基材自体が高温になるため、脱脂することができます。また、炉に入れて加熱するだけなので、作業工程上の手間もあまりかかりません。基材の耐熱性があれば、どのような形状、サイズの基材でも脱脂することができます。
ただし、注意点も複数あります。380℃という高い熱処理となるため、基材の変形・歪みが生じるリスクがあります。また、次工程のブラストでコート範囲外のブラストをしない部分は、基材表面に炭化物が残ってしまったり、酸化膜色が残ってしまいます。
なお、油分が多く付着した基材は、空焼き時に発火してしまう可能性があるため、事前にある程度油分を落とす必要があったり、基材構造に密閉された中空形状があった場合は熱による空気の膨張により基材が破裂してしまう可能性があったりするため、空焼きができる基材であるか事前に確認することが必要になります。
金属加工では脱脂という工程があります。金属の表面に付いた油脂分を取り除く処理です。汚れも取り除く洗浄も兼ねています。金属のめっきや塗装などの表面処理前の下処理です。他にも製品を出荷する前に、洗浄してキレイにするために行われる場合もあります。
一般的に脱脂は複数工程で行うのが特徴です。脱脂以外にもサビや汚れ除去のための酸洗、脱脂や酸洗で使った薬品を水やお湯で洗い流すための水洗もします。
一般的にめっきの前処理は本脱脂と仕上げ脱脂の2工程です。油脂分が多いと予備脱脂も行います。
基材表面に油分が残留していた場合、コーティングの加工工程でのトラブルやコーティングの品質に大きく影響してしまいます。具体的にはコーティングの加工工程では、例えばブラスト装置内の汚れの発生(他の製品への影響)や塗装時のハジキ、シミ不良の発生などが挙げられます。また、油分があることで十分なコーティングの接着性が得られず、耐久性や機能不良が生じます。
なお、基材の運搬時に使われる緩衝材には添加剤等が含まれることもあり、油分等の付着がない場合でも目に見えないようなレベルで付着物がついていることがあります。そのため、基本的に洗浄工程は必須となります。
適切な脱脂方法・条件で脱脂しない場合、十分な脱脂ができていないことがあります。脱脂が不十分な場合、コーティングの不良や十分な機能が得られません。
空焼き以外に有機溶剤への浸漬や超音波洗浄などがあります。有機溶剤を使用し、有機溶剤の溶解力で対象物の表面に付いた汚れや付着物を洗浄する方法です。溶剤は石油系溶剤や炭化水素系溶剤など様々な種類があり、洗浄力や洗浄方法に違いがあります。基材の材質・形状・サイズ、付着している汚れがどのようなものかによって、適切な洗浄方法を選択する必要があります。
適切な洗浄方法を提案できる加工メーカーを選択することが品質トラブルを避け、十分な製品機能と耐久性を得るために重要になります。
関連ページ
様々な機器や部品などに加工を施すことで、耐性を付与できるフッ素樹脂コーティング。耐性を持たせるのは性能を向上させるだけではなく、安全性に直結することも理由のひとつです。
どんな耐性を持たせたいか、どんな仕上がりを求めているのかによって加工メーカーをしっかり検討するようにしましょう。ここでは、用途別におすすめのフッ素樹脂コーティング加工メーカーをご紹介します。
引用元:フロロコート名古屋
https://www.landingpage-synergy.com/Y3dpVfRU/
鉄/SUS/ゴム/銅/真鍮/PPS/ガラス/FKM/CFRP/PEEKなど
引用元:吉田SKT
https://www.y-skt.co.jp/
※公式に基材情報なし、カタログをダウンロードしてご確認ください。
引用元:日本フッソ工業
https://www.nipponfusso.co.jp/
セラミック/CFRP/石英/鋼/鉄/鋳鉄など