ここではフッ素コートやフッ素加工、フッ素樹脂コーティングなど似たような言葉の意味の違いや分類方法について解説しています。
フッ素コート、フッ素加工、フッ素樹脂コーティングなど似たような言葉がいくつかあります。どれも同じように見えますし、実際に同じ意味で使用したり説明されていることもあり紛らわしくなっています。
これらを考えやすく分類するには「樹脂」という言葉に注目します。フッ素コートは広義に使用されるもので、その中にフッ素樹脂コーティングとそれ以外のフッ素使用のコーティングも含まれます。
フッ素樹脂コーティングはさらにフッ素樹脂塗料系と変性フッ素樹脂塗料系に分かれます。基本はフッ素樹脂塗料系でそこに有機バインダー樹脂を混合させたものがと変性フッ素樹脂塗料系になります。
フッ素樹脂塗料の種類はPTFE、PFA、FEP、ETFE、PVD、PCTFE、ECTFEなどがあります。以前、これら4フッ化、4.6フッ化、2フッ化と言い表していましたが、現在は符号を使うのが一般的になっています。
フッ素樹脂コーティング以外のフッ素コートには自動車用ワックスや虫歯予防で使われる「フッソ」があります。これはフッ素化合物(フッ化ナトリウムの水溶液)のことでフッ素樹脂ではありません。
この他、溶剤可溶型フッ素樹脂塗料系があります。これは溶剤に不溶なフッ素樹脂の分子中にアルキル基などを入れることで、フッ素樹脂を主成分とした塗料やコーティング材として使用するものです。
溶剤可溶型にはフッ素樹脂が含まれているため、フッ素樹脂コーティングに入るかどうか曖昧さが残ります。ただし、主に基材の保護と美粧を目的し、フッ素樹脂に共通する特性が入っていない点で考えるとフッ素樹脂コーティングからは外れます。
フッ素樹脂の主な特性は、すべり性、難付着性、耐熱性、耐薬品性、耐蝕性、撥水性、撥油性、電気特性、耐摩耗性です。これらの詳細については別ページで解説していますのでそちらを参照してください。
ここで押さえておきたいのはフッ素樹脂コーティングと呼べるものは、こうした基本特性を持っていることです。単にフッ素コート、フッ素加工と表現されているものの中には、こうした特性を持たないものがありますので注意が必要です。
分類についてはあまり神経質に考えることはないですが、フッ素樹脂コーティングを行う場合は、目的を明確にした上でそれに合った塗料やコーティング剤を選ぶことが重要になってきます。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)