フッ素樹脂コーティングのひとつであるPVDF。このページではPVDFの性能やコーティング前に知ってほしいポイントを解説します。
PVDFとは「ポリフッ化ビニリデン」のことで、フッ素樹脂コーティングの一つです。優れた色の保持性や耐腐食性などの性能を持ち、有機コーティングの中でも最高品質のものと言えるでしょう。フッ素樹脂が70%、アクリル樹脂が30%の割合になっており、耐候性の高い特殊顔料を用いているのも特徴的。フッ素樹脂を主な成分としているPVDFは鉄・アルミなどの金属建材パネルを保護するための塗料としてもオススメです。通常の環境条件であれば耐用年数は25年にもなり、腐食性の高い環境でも使用しやすいでしょう。
ほかにもPVDFコーティングは腐食・紫外線・傷・汚染などに対する耐性が優れており、屋外で使用したとしても20年ほどは色や光沢を維持できるとされています。またカラーバリエーションも多く、空港や商業ビル、スポーツ会場などの公共施設、工場、製鉄所、化学工場など多種多様な建物でも用いられているコーティング剤です。
PVDFは様々な性能に優れており、非常に取り扱いやすいでしょう。ここではPVDFの性能について具体的に紹介しています。
PVDFコーティングの最大の特徴は、優れた耐候性です。そもそも耐候性とは太陽光・温度・湿度・雨などの屋外の自然環境に耐えられる性能のことを指し、耐候性に優れていれば屋外でも劣化することなく使い続けやすいということを表しています。PVDFコーティングは70%ほどのフルオロカーボン樹脂だけでなく、多数のFC結合で成り立っている成分です。そのため非常に安定し手織り、紫外線・湿度・温度などの耐候性に優れているでしょう。一般的な環境下であれば屋外で20年以上経ったとしても色あせや粉になるようなことは、ほとんどありません。
耐食性とは腐食にしにくい性質のことで、ある環境下に置いた際に腐食作用に耐えられる性質を指します。「防サビ性」と言われることもあり、PVDFは耐食性にも優れている成分です。酸・アルカリ・塩などの化学薬品に対する耐食性が高く、PVDFコーティングは卑金属の保護バリアを高めることができます。
PVDFコーティングの扱いやすいポイントとして、比較的高温・低温の環境下でも使用できるという点が挙げられます。200度以上の温度で金属に適用し、EPを用いて下面にも適用可能です。エポキシ樹脂が150度で用いることができる粉末熱硬化性樹脂であり、凍結融解実験を10回ほど行った研究では、樹脂層の脱落や亀裂、隆起、剥離、損傷などは一切生じなかったとのこと。つまりPVDFコーティングは―60度から150度の範囲で、長時間使用できると言えるでしょう。
摩耗とは機械などの作用で生じる摩擦・研磨によって表面が減少していく状態のことを指し、一般的には「すり減る」という表現をする状態です。この摩擦に対する性能が優れていることを耐摩耗性と呼び、耐摩耗性が優れていれば、すり減りにくいため耐摩耗性の高い部品の寿命は非常に長いと言えるでしょう。PVDFコーティングは通常の6~10倍ほどの厚いコーティングに仕上がっています。この厚いコーティングによって表面硬度が高まり、優れた耐摩耗性を保つことができるでしょう。
PVDFコーティングは表面のエネルギーが低く、最小摩擦係数は0.15~0.17ほどです。そのため表面にホコリや油が付着しにくい特徴を持っています。基本的には雨によって汚れなどを流すことが出来るため、ほとんどメンテナンスは必要ないでしょう。そのため屋外などのメンテナンスしにくい製品へのコーティングに最適です。
PVDFコーティングは金属やプラスチックセメント、複合材料の表面に高い接着性を持っているのも特徴的です。そのため非常にコーティングしやすいと言えます。
そんな非常に優れた性能を持つPVDFコーティング。ただ、このコーティングを行うにあたって、いくつかのポイントを押さえておかなければなりません。そのポイントを具体的に見ていきましょう。
関連ページ
全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)