フッ素樹脂は、耐熱性や絶縁性といった機能をあわせもつプラスチック原料です。ユニークな複数の性質をもつ素材のため、自動車産業や航空機産業など多方面で用いられています。
この記事では、フッ素樹脂と混同されやすい「フッ素ゴム」について、フッ素ゴムの特徴や種類、両者の違いを紹介します。
フッ素ゴムとは、フッ素樹脂を原料にしてつくられる合成ゴムの名称です。
さまざまな種類が存在する合成ゴムの中でも、耐熱性・耐薬品性・耐油性などに優れているため、自動車の燃料チューブやガスケット部に使用されるケースが多くみられます。
一般家庭にも広く浸透しているシリコンゴムに比べ、フッ素ゴムは耐熱性に優れており、耐候性や耐炎性も備わっています。過酷な環境に耐えられる素材のため、電線被覆材やシール材に用いられています。
FKM(フッ化ビニリデン系ゴム)は、化合物であるフッ化ビニリデンを使用した合成ゴムです。パッキンやOリングなどの部品製品に使用されており、製品名では米3M社の「ダイニオン」やダイキン工業の「ダイエルG」などが知られています。
FFKM(テトラフルオロエチレンプロピレンゴム)は、フッ素化された炭化水素で構成されている合成ゴムです。AGC株式会社(旧:旭硝子)の「AFLAS®(アフラス)」という製品名でも知られ、低着香性や耐放射線性を有し、過酷な環境にも適応できる素材です。
FFKO(パーフルオロポリエーテルゴム)は、信越化学工業から販売された「SHIN-ETSU SIFEL®(サイフェル)」に代表される液状フッ素ゴムの名称です。耐アミン性とハンドリング性の高さに加え、低温性や硬化と同時に接着が行えるといった点が特徴的です。
FFKM(パーフルオロエラストマー)は、ゴムやプラスチックの特性をもつフッ素ゴムです。完全フッ素化された合成ゴムであり、耐薬品性・耐油性・耐溶剤性・耐熱性を有し、フッ素ゴムの中でも特に耐熱性に優れています。
フッ素ゴムは、フッ素結合と呼ばれる組成によって高い結合力を備えた合成ゴムです。天然ゴムが入手しにくかった1900年代に工業製品として開発・製品化され、その後さまざまな企業が高機能な合成ゴムを生み出してきました。屋外の汚染物質や紫外線に耐久性をもつため、屋外で使用されるさまざまな製品に使われています。
フッ素樹脂は、構造部にフッ素原子をもつプラスチック素材です。滑らかかつ粘着しない性質であり、高温に耐えられる特性を活かして、食器や調理器具の表面、工作機械のガイド部分などに用いられています。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)