フッ素樹脂コーティングは「テフロン™コーティング」とも呼ばれ、耐熱性や撥水性を施す目的で行われています。フッ素樹脂と同じ合成樹脂にはアクリル樹脂と呼ばれる種類も存在し、アクリル塗装として用いられています。
この記事では、フッ素樹脂とアクリル樹脂の違いと、アクリル塗装のメリット・デメリットを紹介します。
アクリル樹脂はアクリル酸エステルなどから作られる合成樹脂です。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)やポリアクリル酸エステルなどいくつかの種類があり、なかでもメタクリル酸エステル重合体は「ポリマー」と呼ばれ複雑な加工にも耐えられます。
塗料としては耐候性・耐汚染性・透明性・硬度にすぐれ、工業製品や内装・外装などの建築といった幅広い用途に使われています。
フッ素樹脂と同じ合成樹脂塗料のウレタン樹脂やシリコン樹脂よりも安価ですが、耐用年数が一番短いため、塗料のグレードでいうともっとも低い素材です。
アクリル塗装は硬度にすぐれており、常温でもしっかりとした硬さがあります。塗料は色の種類が豊富で、塗料の価格も安いため、塗装にかかるコストはリーズナブルです。
重ね塗りにも適しているため、プロにはもちろん塗装の初心者にも扱いやすい塗料です。安価に耐候性や耐汚染性を付加できるため、コスト面を考慮したい場合の選択肢になるでしょう。
透湿性や通気性が高いため、屋内で使うものの塗装にも適しています。住宅でいうと軒裏のように湿気を溜めたくない部分の塗装にはアクリル樹脂塗料が適しています。
軒裏以外にも内壁やクロス部分への塗料、あるいはDIYとして木材の上から塗装を施す場合にもアクリル塗装が適しています。
アクリル塗装は安価に塗装が施せる一方で、耐久性に劣る点がデメリットです。
塗料の中に含まれる可塑剤が紫外線に弱い特徴があり、可塑剤の効力が失われてくると塗膜が柔軟性を失ってひび割れが発生します。
赤や黄色といった鮮やかな色味ほど紫外線によって劣化しやすく、屋外で使われるものへの塗装には不向きといえます。塗装自体は問題なく行えますが、5年に1回程度の間隔で塗り直しが必要になるため、持ちが良くない点に注意が必要です。
フッ素樹脂は耐熱性・耐摩耗性・耐候性・絶縁性とさまざまな強みをもっています。紫外線や寒さにも強いため、アクリル塗装よりも長期間にわたって塗料の品質が維持できます。
アクリル樹脂はプラスチック塗料のため、美しい透明性と耐候性があります。色のバリエーションも豊富で、光沢感とカラフルな色を組み合わせて製品の塗装に生かせます。
フッ素樹脂は住宅の外壁にも使われ、耐用年数にすると15年を超えるすぐれた素材です。
アクリル樹脂は5年ごとの塗り直しが目安になるリーズナブルな素材ですが、安価な価格に加えて塗料としての扱いやすさが特長といえます。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)