表面処理・コーティングとは、金属をはじめとする、さまざまな製品・部品のなどの表面に行う加工方法です。この表面処理を施すことで、滑り性や撥水性、耐熱性等々様々な特徴を付与することができます。
しかし専門知識がない限り、どの表面処理・コーティングを選べばよいかわかりません。またどこに相談すればよいのかすら見当もつかないでしょう。
そこでこのページでは、フッ素樹脂コーティングの日本のパイオニア※であるフロロコート名古屋様(日本シリコーングループ)の監修のもと、
※1957年フライパンの表面のふっ素樹脂加工に日本で初めて成功(東京シリコーン公式サイトhttp://www.t-silicone.co.jp/)
表面処理・コーティングの詳細説明に入る前に、これらの相談先の業者・会社選びについて、表面処理・コーティングならではの特徴を交えてそのポイントを解説します。
どの表面処理・コーティングも基本的には使用方法、使用環境、使用条件によって、どの表面処理が最適であるかが変わってきます。これから説明する、おすすめのコーティングについても、条件が違うとおすすめでは無くってしまう場合も多々あります。
この「コーティングの選定」が、実は簡単ではなく、場合によっては試行錯誤は必要なケースもあるのです。
そして、このコーティングの選定・提案を適切にできる会社かどうかがとても重要なポイントです。
コーティングを探している人は、どれだけ調べてもここ明確にならず非常にモヤモヤするのではないでしょうか。
結論としてはプロに相談するしかありません。またプロもやってみなければわからない部分があり、相談する方もされる方も一緒に最適解を探っていくというスタンスで臨むことが必要なのです。
コーティング・表面処理は、加工方法や条件で性能に差がでてきますが、その違いは目に見えてわかる場合は非常に稀です。複数のテスト等しなければその違いはわかりません。
また多くの相談者は、2社以上の塗膜比較(コーティング比較)をした上で、採用を決定するということありません。つまりそのコーティングの優劣はわからず、「本当にこれが最適な表面処理・コーティングの選定なのか?」は腑に落ちないままというケースがとても多い状態だと思います。
当然ですがお客様の使用条件は千差万別です。そのため実は表面処理・コーティングする側は、提案したものがお客様の満足する性能・耐久性であるかについて、実際使ってみてもらわないとわからないケースが多いのです。
その点で、アフターフォローができて、もし十分な性能が出ていないのであれば、何がダメだったのかを分析&調査確認し、それに対して次の提案ができることも重要になります。
場合によっては、トライ&エラーを繰り返し行い、お客様と一緒に最適なコーティングを検討していくこともあります。
このように顧客とコーティング会社がともに最適解をさぐっていける関係性を構築していけるということが、業者・会社選びでとても重要なポイントです。
なおフロロコート名古屋ではお客様のニーズにしっかり向き合って、上記のような対応を行うことで、これまでうまくいかなったものも製品実現しています。
品名 | スイッチ部品 |
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基材 | 鉄 |
塗料 | 変性塗料系 L-5053CL |
膜厚 | 5~20μm |
加工目的 | 相手材(金属)とのかじり防止 |
使用用途 | カーラジオのスイッチ部品 |
品名 | センサー部品 |
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基材 | SUS |
塗料 | 変性塗料系 L-6201CL |
膜厚 | 10~20μm |
加工目的 | すべり性の付与 |
使用用途 | 自動車のエアーバックのセンサー内部の部品 |
品名 | シンカー |
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基材 | 粉末合金 |
塗料 | 変性塗料系 L-1171BK |
膜厚 | 30±10μm |
加工目的 | すべり性の付与 |
使用用途 | チルト/テレスコピックステアリングの部品 |
品名 | プランジャー |
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基材 | 鉄 |
塗料 | 変性塗料系 L-5013BK |
膜厚 | 8~20μm |
加工目的 | すべり性・耐食性の付与 |
使用用途 | ポンプ部品 |
以下では、次のことを解説しています。
なお以下は前提として、すべての内容について使用用途や使用環境により最適な表面処理は異なる旨、ご理解ください。あくまでフロロコート名古屋による一つの参考情報としてご活用の程お願いします。なおフッ素樹脂コーティングについてご検討の際は、フロロコート名古屋までお気軽にご相談ください。
表面処理、コーティングには特性ごとに以下のような技術があります。
・フッ素樹脂コーティング
・DLC
・二硫化モリブデンコート
・フッ素樹脂複合メッキ
・セラミックコート
・メッキ
・フッ素樹脂コーティング
・トシカル処理
・セラミックコート
・フッ素樹脂共析(複合)メッキ
・フッ素樹脂コーティング
・メッキ
・ライニング
・フッ素樹脂コーティング
・塩ビコーティング
・ライニング
・メッキ
・真空蒸着
・溶融めっき
・流動浸漬
・静電粉体塗装
・ブラスト
・溶射
・スプレーコーティング
・ライニング
・陽極酸化処理
・熱収縮チューブ
※各詳細について、ページ下部にて解説しています。
2種の特性と、さらにそのコストを考えた場合の表面処理・コーティングのおすすめ順とその理由について解説しました。
【解説】
低荷重のすべりであればフッ素樹脂コーティングに大きなアドバンテージがあります。低コストであれば、二硫化モリブデンコートもありますが、性能、コスト面で最も優位性があります。
【解説】
高荷重の場合、フッ素樹脂はNGの場合が多いです。二硫化モリブデンはすべり性とコスト面は良好ですが汚れが出やすいです。他2~4は性能はそこそこですがコストが高く、その処理でしか使えない条件下という制限があれば選択するというイメージです。
【解説】
フッ素樹脂とセラミックは吹き付け塗装ができるため、数が多い製品に対して対応しやすくいです。性能とコストを加味するとセラミックよりもフッ素樹脂を選択することが多いです。メッキとDLCはバッチ処理なので量産には不向きです。
【解説】
フッ素樹脂とセラミックは吹き付け塗装後、焼き付けを行いますので、製品サイズの制限としては焼成炉に入るものであれば加工できます。性能とコスト面から言えばフッ素樹脂が優位。メッキとDLCはバッチ処理なのであまり大きなものは処理できません。
【解説】
難付着性は、フッ素樹脂かトシカルが良好。この2つは「くっついても取れればいい」という場合はフッ素樹脂、まったくくっつかない方が良ければトシカルという選択になります。性能上どちらでも良ければコスト的にフッ素樹脂のほうが圧倒的に優位。フッ素樹脂複合メッキとセラミックコーティングは、離型成分が膜中に分散している程度なので、もともと離型性能がそこまで良くないこと、汚れの堆積などにより耐久性がよくありません。
【解説】
性能とコストからみてフッ素樹脂コーティングが優位です。
フッ素樹脂を分散させた液体状の塗料又はフッ素樹脂の粉体塗料を塗布し、焼き付けを行い得られる塗膜。1つ塗膜にすべり性や難付着性など複数の機能を持つことが最大の特長。
他の樹脂にフッ素樹脂を分散させた塗料やフッ素樹脂を主成分にした塗料、耐摩耗性や耐食性などを向上させるためにフィラーを添加した塗料など、数百種類もの塗料がある。
難付着、すべり、耐摩耗、耐食、絶縁、撥水・撥油
ダイヤモンドと黒鉛との中間的な物性を持つ硬くて薄い炭素の膜を基材表面に形成する処理。窒化処理や硬質クロムメッキなどよりもはるかに硬く、非常に耐摩耗性が良い表面処理。
すべり、耐摩耗
厚い膜を形成する処理。コーティングの違いは、施工方法が全く異なることと、あとは明確な定義はありませんが一般的には塗膜の厚みが薄いもの(1mm未満)がコーティング、厚いもの(1mm以上)がライニングになります。
耐食
ケイ素系やチタン系のセラミック成分の硬い塗膜を形成する処理。硬く、耐熱性が良いのが特徴ですが、反面衝撃に対して脆く、ヒートショックなどでヒビなどが入りやすいというデメリットもあります。
耐摩耗、耐食
二硫化モリブデンを主成分とする潤滑性の良い被膜を形成する。二硫化モリブデンは耐熱性が高く、高荷重条件で使用できるのが特徴。
すべり、耐摩耗
メッキ層を形成する過程で低分子PTFEをメッキ被膜内に共析させ、フッ素のすべり性や難付着性を有するメッキ被膜を形成する処理。メッキ層の硬さにより耐摩耗性に優れ、すべり用途で使用されることが多い。メッキ層にフッ素樹脂が分散している状態であり、最表面のフッ素比率が少ない分、難付着性能はあまりよくない。
すべり、耐摩耗、難付着
粘着を嫌う面に凹凸を付け、凹部に特殊樹脂を凹凸形状を残しながら埋め込むことによって飛躍的な非粘着性表面を形成する処理
非粘着
金属又は非金属の表面に薄い金属膜を形成する処理
耐食、装飾、機能性
真空中※で金属など成膜させる材料を加熱し、蒸発又は昇華させて処理対象の表面に蒸発又は昇華させた成膜物質の粒子を付着させ、薄膜を形成する処理。
※真空にすることで飽和蒸気圧を下げ、金属など蒸発・昇華させやすくする。
光学薄膜、電子部品、包装材、各種装飾など
耐食
粉末塗料を流動槽の中でエアーなどで粉体を拡散し、その中に熱した処理対象品を入れると拡散した粉末塗料が処理対象品の表面に付着と溶融が繰り返し起きることで、塗膜が形成する処理。厚膜が得られるが、厚みのバラつきは大きい。
耐食
粉末塗料を帯電させ、アースを取った処理対象物の表面に静電気の力で付着させる処理。塗り重ねをすることで厚膜にすることもできる。ライニングほど厚膜にすることはできないが、膜厚のバラつきは小さく、基材と塗膜の接着性も良い。塗装・焼成を繰り返し行い得られる塗膜でありピンホールなど欠陥も少ない。
耐食、難付着、電気絶縁、
樹脂や金属などの小さな粒子(メディア)を噴出させ、処理対象物の表面に衝突させ、対象の表面構造を塑性変形させる処理。目的とする表面構造を得るために噴出させる粒子の材質、形状、大きさなどの種類は数多くある。
バリ取り、塗装下地、スケールの除去、ピーニング、外観調整
溶融させた金属などを対象物に吹き当てて、金属層を形成する処理
耐摩耗性、肉盛り、耐食
電解溶液中で処理対象物を陽極として通電させ、表面に酸化被膜が形成させる処理。
耐食
塩化ビニルやフッ素樹脂などチューブ状に成型したものの内径に被コート物を通したのち、熱をかけることでチューブが収縮し径が小さくなり、被覆される処理。
株式会社フロロコート名古屋は1967年の創業以来、常にフッ素樹脂コーティングを中心に表面改質技術業界をリードしてきたパイオニア企業です。迅速な対応と提案力、技術力を強みとして優れたノウハウと実績を積み上げてきました。
特にフッ素樹脂の難付着性やすべり性、耐摩耗性といった特性が生かせる自動車業界に強く、その他、医療や半導体、宇宙・航空業界といった精密さが求められる業界や食品業界など幅広く対応しています。
フロロコート名古屋の特長は、お客様のニーズにしっかり向き合って、問題解決をお手伝いできることです。様々業界で培った品質へのこだわり、コストパフォーマンス向上と、納期短縮ヘ向けた日々の改善力で、最適なソリューションを提供できます。(他社で難しかったことでも、当社にご相談ください。)