ここではフッ素樹脂コーティングの持つ耐熱性の高さについて解説してます。優れた耐熱性が活かされる用途や実際の活用事例についてもリサーチしました。
フッ素樹脂は暑さ、寒さに強く-240度から260度の範囲で長時間耐えることが確認されています。融点は種類によって違いますがほとんどが200度以上で、中でもPTFEは300度以上の耐熱性を持っており、融点を超えても常温に戻せば形も崩れません。
フッ素素材(C-F結合)は熱で切断されにくい性質があります。石油系の主成分として炭化水素(CとH)がありますが、C-H結合よりもC-F結合の方が結合エネルギー大きいため炭化水素素材より熱に強いのです。
なお、フッ素樹脂コーティングは焼成炉での焼付以外に低温硬化、常温での処理も一部可能となっています。そのため低温や常温成膜タイプの場合はゴムや各種プラスチックにも表面加工処理ができます。
耐熱性だけで比較すれば他にもっと優れているものがありますが、フッ素樹脂の特性として低摩擦性もあり耐熱性と合わせて有効になる代表的なものが各種の自動車部品です。省エネが求められる自動車業界ではうってつけの性能と言えます。
ダウンサイジングによりエンジン部品には高温の耐久性がある素材が必要ですし、ブレーキパッドやベアリング、自動変速機のシール材、油圧制御機器の電線などにもフッ素樹脂が利用されています。
またテフロン™加工で知られるフライパンは焦げ付き、こびり付きを防ぐため難付着性の方が注目されがちですが、耐熱性があってこそです。このように気がつきにくいですが耐熱性はフッ素樹脂加工では重要な役割を担っているのです。
めっき・洗浄工程にて、製品保護に塩ビポリエチレンの被服で対応していました。しかし、被服がすぐにボロボロになるので、テフロン™コーティングを使用。すると、治具が長持ちするだけでなく、メンテナンスも楽になりました。
引用元:株式会社淀川acc公式ページ
(http://www.yodogawa-acc.co.jp/case.html)
水をかけての冷却工程において、跳ね返った冷却水の飛散防止のために、毎回周囲を鉄板で覆わなければなりません。鉄板が大きく重いため、設置・撤去に多大な労力がかかる上、転倒などの危険性もあります。布製カーテンでは耐熱性などに問題があり、今まで導入できなかったようです。
非常に耐熱性に優れた両面フッ素コートガラスクロスを提案。
ガラスクロスは600℃の連続使用に耐えることができます。軽量で柔軟性もありますので、カーテン状に縫製し、吊り下げ用のハトメ、吊金具を取り付けました。
引用元:蒲田工業株式会社公式ページ
(https://www.kamata.co.jp/html/solution/case/id-00554.html)
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)