フッ素樹脂コーティングの塗装方法のひとつ・粉体塗装とは
フッ素樹脂コーティングには様々な塗装方法があります。このページでは、コーティング方法の一つである粉体塗装の種類や工程、メリットなどを紹介していくのでチェックしてください。
粉体塗装の種類
静電粉体塗装法
粉末塗装の中で、最もメジャーな方法と言えるのが静電粉体塗装法です。塗装ガンを高圧発生器に繋げ、粉末塗料にマイナスを帯電させ、塗装を行う対象物がプラス帯電しているため、静電気の要領で塗料を付着させるという仕組みになります。必要な塗料だけを用意すれば、ほぼ問題なく塗装できるでしょう。
流動浸漬法
流動浸漬法とは塗装を行う対象物を熱し、圧縮空気によって流動している粉末塗料を対象物に付着させる方法です。この方法を利用する最大のメリットが外面だけでなく、対象物の内面も一緒に塗装できるという点でしょう。そのためパイプを塗装する際に利用されます。
粉体塗装の工程
粉末塗装には流動浸漬法もありますが、ここでは一般的な塗装ガンを利用する静電粉体塗装法の工程について紹介していきます。
- 汚れを落とす
他の塗装と同様に対象物に付いている汚れや油を、アルコールなどを利用し落としていきます。
- 静電気を発生させる
電極を付け、電気を流し、静電気を発生させていきます。そのため塗装を行う対象物は導電性があるものに限定されますが、徐々に樹脂製のバンパーにも塗装できるようになっており、塗装の範囲は拡大しているでしょう。
- 塗料を冷まし固める
塗料を吹き付けたあと、乾燥炉などを利用し塗料を溶かし・さます過程となります。
粉体塗装のメリット
- 一度の塗装によって高い膜厚に仕上がる
粉末塗装の最大のメリットが、高い膜厚ができるという点です。そのためサビ塗装とも呼ばれており、コーティング性が非常に高いというメリットがあるでしょう。
- 塗料のロスが少ないためコスト削減になる
静電気を活用し、塗料を吹き付ける工法が一般的になります。基本的には塗料を直接吹きかけていくので、塗料のロスは少ないでしょう。それによって無駄になる塗料が減り、コストを抑えることが可能です。
- 有機溶剤を活用しないので環境に優しい
近年、地球環境に配慮することは企業にとって重要です。基本的に粉体塗装は有機溶剤を使用していないため、地球環境に優しい塗装方法と言えるでしょう。
粉体塗装のデメリット
- 静電塗装が行える設備が必要
粉体塗装は静電気を活用して塗装を行っていくので、静電塗装が可能な専門的な設備が必要になります。
- 膜厚を薄くしにくい
粉体塗装は一度で高い膜厚に仕上がるので、基本的に膜厚を薄くすることは難しいでしょう。膜厚を薄くしたい場合には不向きな塗装方法と言えます。
- 導電性や耐熱性のある対象物に限定される
電気を流しながら塗装するため、基本的に対象物に導電性がなければ塗装できません。また塗装の後に焼きつける工程があるので、耐熱性も必要でしょう。しかしながら徐々に技術開発が進み、導電性のない樹脂製品でも塗装できるようになっています。
フッ素樹脂コーティング会社
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全国展開の
フッ素樹脂コーティング会社3選
全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)
引用元:フロロコート名古屋公式サイト
https://www.fluorocoat-nagoya.co.jp/
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ゴム、OA機器、製紙・印刷機械、繊維機械、建築、宇宙・航空
引用元:吉田SKT公式サイト
https://www.y-skt.co.jp/
- 特徴
- 自社オリジナルのフッ素樹脂コーティングをはじめ多種多様な塗料をあつかっており、有機無機複合コーティングなどオリジナルのコーティング剤で対応
対応業種
自動車、医療、半導体関連、食品、宇宙・航空
引用元:日建塗装工業公式サイト
http://www.nikken-toso.co.jp/
- 特徴
- フッ素樹脂コーティングの他、自社独自の特許製品やセラミックコーティングなどフッ素樹脂以外のコーティングにも幅広く対応。
対応業種
一般産業機械、化学、半導体、食品、医療、自動車、ゴム、医薬、OA機器、製紙・印刷、繊維、建築