ここではフッ素樹脂コーティングの耐薬品性や耐蝕性について解説しています。また実際にその特性を活かした用途や実例についても紹介しています。
フッ素樹脂は耐薬品性や耐蝕性に優れ、酸やアルカリといった薬品に侵されることがほとんどありません。吸湿性・吸水性も0.00%となっており、高温高圧のフッ素ガスやフッ素化合物、熔融アルカリ金属にわずかに侵されるのみです。
しかしながらコーティング加工で塗膜の厚さが薄い場合は、ピンホールと呼ばれる小さな穴が発生し、そこから薬液が浸透してしまいコーティングが浮いてしまう可能性があります。そのため耐蝕性を生かすためには塗膜を厚くすることが必要です。
厚膜コーティングとは0.3㎜~1mm程度を指しますが、それを実現するためには何度もフッ素樹脂を塗り重ねることになります。また耐蝕性を維持するためには定期的な再コーティングが推奨されます。
フッ素樹脂加工は半導体業界でよく用いられます。それは耐薬品性、耐蝕性という特性によるものです。ウエハーキャリアや角槽といった半導体を扱う容器などにフッ素樹脂コーティングが用いられるのは製造過程でさまざまな薬液が使用されるからです。
強酸や強アルカリの薬液も多いため耐薬品性が無いと半導体部品に接触した際に侵されてしまうのです。PTFE、PFA、FEPといったフッ素樹脂を代表するものはすべて酸、アルカリ、有機溶剤に触れても長期間ダメージを受けにくい性質があります。
同様の理由で化学プラントなどの配管や容器などは薬品に侵されやすいため、フッ素樹脂で厚膜コーティングします。そうすることで過酷な環境下での耐薬品性と耐蝕性を付与し、治具を長持ちさせることができるのです。
半導体製造装置を構成するパーツの耐薬品性や高純度性を目的としてフッ素樹脂成型品を採用しているが、機械強度が要求されるパーツには、フッ素樹脂単体の成型品が採用出来ませんでした。
パーツを樹脂製から金属製に変更し、その金属製パーツに耐薬品性及び高純度性に優れているフッ素樹脂コーティングによる被覆を提案しました。
当社のフッ素樹脂コーティングを採用することによって
① 金属製パーツの採用が可能になり、機械強度が確保出来ます。
② 耐薬品性が確保され、腐食雰囲気による装置の劣化が防止出来ます。
③ 高純度性が確保され、金属イオン溶出による装置汚染が防止出来ます。
④ 撥水性が確保され、薬液の残液や汚染物質の付着が軽減出来ます。
引用元:日本フッソテクノコート株式会社公式ページ
(http://www.nf-technocoat.com/example/index.html)
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)