メラミン樹脂は日常生活の中で頻繁に見かけるプラスチックです。食器やスポンジ、化粧板、コーティング塗料として広く使用されており、意識せずに使用している場合もあります。フッ素樹脂もプラスチックの一種ですが、両者には違いがあります。
ここでは、フッ素樹脂とメラミン樹脂の違いについて解説します。フッ素樹脂コーティングとその他の塗料の選択で迷っている場合、まずはフッ素樹脂とメラミン樹脂の違いを把握しておきましょう。それぞれの特徴を理解することで、適切な選択ができるようになります。
「メラミン樹脂」とは熱硬化性樹脂の一種です。メラミンとホルムアルデヒドの反応で生成されるプラスチックで、加熱により溶解し、その後固まる特性を活かして成形される物質です。
日常生活の中で広く使用されており、スポンジや食器、化粧板として目にすることが多いでしょう。ただし、メラミン樹脂単体が成形された製品は少なく、コーティング塗料、接着剤、コンポジット材料として利用されていることがほとんどです。
接着剤として使用されることも多く、pH7~9の状態で60~90℃にて反応させるとメラミン樹脂接着剤が完成します。
メラミン樹脂は耐久性の高い素材であり、熱や水、油、薬品、衝撃、摩耗に耐える特性を持ちます。さらに硬度が高いため長期間の使用に対応できます。接着剤として使用する場合、ほかの熱硬化性プラスチック接着剤と比べて可使時間が長いことも特徴です。
また、表面に光沢があるため外観が美しく、傷つきにくい点もメリットです。さらに着色が自由に行えるため外見を華やかにすることができ、これらの特性はメラミン製の食器で特に特徴的です。これらのメリットによって、メラミン樹脂は日常生活の中で広く使用されています。
メラミン樹脂には多くのメリットがありますが、お湯や強酸性、強アルカリ性に弱い点がデメリットです。そのため、薬品や熱に頻繁に触れる環境では使用が難しい場合があります。
フッ素樹脂とメラミン樹脂の主な違いは、熱や薬品への耐性です。メラミン樹脂のデメリットである熱や強酸性、強アルカリ性に弱い点を、フッ素樹脂は克服しています。フッ素樹脂は耐薬品性に優れ、電気絶縁性が高い点が特徴です。電気を使用する環境や薬品に触れる機会の多い場所では、メラミン樹脂よりもフッ素樹脂が適しています。
ただし、フッ素樹脂はメラミン樹脂よりも価格が高い傾向があります。塗料として使用する場合、フッ素樹脂コーティングはメラミン樹脂コーティングよりも塗り替えまでの期間が長いため、長期的な視点ではコスト負担に大きな差は生じません。
全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)