本記事では、PAI樹脂の概要やメリット・デメリット、フッ素樹脂との違いについて解説します。
PAI樹脂は、成形後に熱処理を加えることで高い機械特性を発揮する素材です。主に棒材や板材、チューブの形で供給され、切削加工によって精密な部品を製作できます。
また耐熱性や耐摩耗性、寸法の安定性に優れているため、厳しい使用環境下でも安定した性能が求められる機械部品や電子機器部品などとして使用されています。
そして、導電性を持つグレードもあり、静電気対策を必要とする分野でも活用されています。高精度な仕上がりが可能なことから、金属の代替材としても使用されている樹脂です。
PAI樹脂は機械加工を前提とした材料としており、寸法の安定性に優れている点がメリットの一つです。温度や湿度の変化によって形状が変化しにくく、高い精度が求められる切削部品や機械構造部品に向いています。
耐摩耗性にも優れ、摩耗が懸念される摺動部品などにも使用できます。また、熱処理(アニール)によって機械特性をさらに強化できるため、耐久性が高い点もメリットです。
PAIは絶縁性を備えており、電子部品や絶縁材として使用できる樹脂です。反対に導電性を持たせることも可能で、静電気対策が必要な現場で利用されています。
熱処理によって性能を引き出す際には、加工後のアニール処理が必須です。取り扱いや加工には一定の設備と技術が求められ、他の樹脂に比べて手間がかかります。
PAI樹脂は優れた耐熱性や機械的強度、耐摩耗性などの特性から、一般的な樹脂材料よりも原材料費が高くなります。PAI樹脂を採用する際には、コスト面の慎重な検討が必要です。また、専用の設備や熱処理工程などが必要になる場合には、製造コストが増加する要因になります。
フッ素樹脂(PTFE)には高い耐薬品性があり、多くの化学物質に対して優れた耐久性を示します。また、摩擦係数が低く、すべり性が高いことから、シールや軸受けなどの部品にも利用されています。耐熱性が高く、長時間の使用に耐えられますが、柔らかいため機械的な強度や剛性はそれほど高くありません。
一方、PAI樹脂は機械的強度や寸法安定性に優れ、熱処理を施すことで性能をさらに向上させることが可能です。耐熱性も高く、精密機械部品や耐摩耗部品として使用できます。切削加工がしやすいため、複雑な形状の部品にも適しているほか、電気絶縁性も備えており、多様な工業用途に対応できる樹脂です。
PTFEは耐薬品性や低摩擦性を活かした用途に適し、PAIは高強度・高耐熱性を必要とする機械部品に向いています。それぞれの特性が異なるため、用途に応じて使い分けることが重要です。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)