フッ素樹脂とポリエステル樹脂は、それぞれ特徴が異なります。ポリエステル樹脂のメリット・デメリットと、フッ素樹脂とポリエステル樹脂ではどのようなポイントが異なるのか解説します。
ポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールを重縮合して作られ、内部にエステル結合を持つ点が特徴です。
強度に優れているだけではなく、軽量であること、加工性が高いこと、耐熱性・耐候性を持つことなど、さまざまな特徴があります。
厚塗りしやすいことから、硬くて艶のある仕上がりを目指しているものに対して適しているのが特徴です。
溶剤を使用しないタイプ(飽和ポリエステル樹脂)なら揮発性有機化合物を抑えられることから、環境にやさしい点がメリットです。ただし溶剤を使用したタイプ(不飽和ポリエステル樹脂)もあります。塗膜が厚いことから、均一に塗装したいと考えている素材にも向いています。
耐薬品性・耐候性が高く屋外での使用にも適しているのが特徴で、腐食しやすい製品の耐候性を高めるためにも活躍します。仕上がりが美しいため、見た目を重視する製品の塗装に適しています。このようにさまざまなメリットがあることから、利用しやすい特徴を持つのがポリエステル樹脂です。
熱硬化型ポリエステル樹脂のデメリットとして挙げられるのが、色調整の難しさです。一度硬化させると、細やかな色の調整ができません。ただし色の調整は難しいとされているものの、再現できる色域が広いという特徴もあります。鮮やかな濃彩色を表現する場合には適した種類です。
また、一度の施工で厚い塗膜に仕上がるメリットがある一方で、この特徴により薄膜に仕上げるのが難しいのもデメリットです。それから、耐衝撃性にはそれほど優れていません。このことから傷が付きやすいという特徴があります。
デメリットは少なく、幅広い用途で活躍しています。
フッ素樹脂とポリエステル樹脂の主な違いは、耐候性や耐薬品性です。ポリエステル樹脂コーティングのほうが耐候性や耐薬品性に劣るため、フッ素樹脂コーティングよりも劣化しやすいです。
したがって高い耐候性が求められる素材の加工においては、ポリエステル樹脂よりもフッ素樹脂のほうが適しています。フッ素樹脂は、高温や腐食性の化学物質に対する耐性も高いです。
ただしコストパフォーマンスの観点から、耐候性の要求が低い場合はポリエステル樹脂が選ばれる場合もあります。性能やコストのバランスを考慮し、適切な加工方法を選定しましょう。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)