エポキシ樹脂はわたしたちの身近にあるシステムキッチンを始め、大型機械、道路、鉄道、ダム、建物、コンクリート構造物など、さまざまなところで広く活用されている樹脂のひとつです。多くの耐性に優れることから、非常に使いやすい樹脂と言えるでしょう。
しかし全ての面において優れているわけではありません。塗料を選ぶ際には、それぞれの樹脂の特徴を知ることが大切です。ここでは、エポキシ樹脂の特徴やフッ素樹脂コーティングとの違いについて解説します。
「エポキシ樹脂」とはエピクロルヒドリンと、ビスフェノールAから作られる化合物のことです。1930年代にスイスで開発されました。硬化剤によって構造が変化する性質を持ち、エポキシ樹脂のみで使われることはありません。
また他にも組み合わせる素材を変えることで、接着性や耐熱性、耐薬品性なども与えられます。水の中での硬化もさせられることから、広い分野にて重宝されている樹脂です。たとえば塗料やコーティング剤としてはもちろん、電子部品や機械、土木建築の分野でも活用されます。
エポキシ樹脂のメリットは、とにかくさまざまな部分で耐性が高いことです。電気絶縁性や耐薬品性にも優れるため、多くの分野で使用場所を選ぶことなく利用できます。組み合わせる素材により、多種多様な性質を与えられるエポキシ樹脂ならではのメリットです。
また接着性や透明性、柔軟性があることも大きな特徴であり、成形品として利用されるとデザイン性の高い製品ができあがります。
デメリットとして紫外線で劣化しやすいことがあげられます。紫外線に当たると白色や黄色へと変色してしまいやすいため、日光に当たる場所での使用には適していません。もし日光に当たる場所で使用するなら、他の塗料で表面を塗装するようにしてください。
また低温環境下で硬化が遅くなること、靭性が低いことによる使いにくさを感じることもあります。季節や環境によって、他の塗料に比べて硬化速度が遅くなるため作業の時間が延びるかもしれません。
フッ素樹脂とエポキシ樹脂の違いは、接着性・耐摩耗性・化学的耐久性にあります。エポキシ樹脂は高い接着性を持ちますが、フッ素樹脂は非粘着性に優れるため、接着剤を用いても他の素材との接着は難しいでしょう。
そして耐摩耗性はエポキシ樹脂のほうが、化学的耐久性はフッ素樹脂のほうが高くなります。フッ素樹脂は柔らかい素材であり、摩耗が起きる場所では使いにくいかもしれません。エポキシ樹脂の強さは機械的強度であり、構造材料として多くの用途に使用されます。化学的な耐久性についてはフッ素樹脂コーティングのほうが優れていると言えます。それぞれの特性に基づいた活用がありますので、違いについて理解しておきましょう。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)