そもそもライニングとは、厚い膜で基材の表面・内面を覆う表面処理のことです。コーティングと同じような意味と思われがちですが、覆っている材料の厚み・用途などで使い分けられるケースが多いでしょう。ただライニングとコーティングには明確な基準や定義は存在しません。塗膜が熱くピンホールレスのコーティングの膜で、耐食性を主に必要としているケースだと「ライニング」と呼ばれることが多いようです。
コーティングとライニングの主な違いは、膜の厚さです。フッ素樹脂コーティングもライニングも製品の表面に膜を作り、その製品を保護する役割があります。ただ中にはピンホールレスを目的とした厚い膜にしたいケースもあり、そういった場合コーティングではなくライニングという言葉を用いるようです。
一般的には上記のように分類されるケースが多いようでしょう。ただ樹脂のライニング業界であれば膜の厚さが250μm以上のケースで、ピンホールレスのコーティングをライニングと呼ぶこともあるようです。
ライニングで用いられる素材は多種多様で、様々なライニングの方法があります。
PFAシートと金属を接着するライニングで、ライニングの厚みはシートの厚みとなるため厚膜加工を施すことができます。ただ複雑な形状だとシートが接着できず、また負圧の環境ではシートライニング方法は困難です。PFA樹脂だけでなく、PTFE樹脂によるライニングなども対応しています。
静電気によってPFAパウダーを金属に付着させたうえで、400度ほどの熱で焼き付けを繰りかえすことで厚い被膜を作る方法です。パウダーなので、複雑な形状にも施工できるというメリットがあります。また密着性も非常に高いため真空の環境などでも使用できるでしょう。ただ厚い被膜にするためには、何度も塗装を施さなければなりません。
PFAパウダーをタンクなどにいれ、加熱融解をさせながら回転させることで内面に厚い被膜を作る方法です。焼き付け塗装なので、密着性も高く、負圧環境でも使用できます。ただ膜厚を薄くするコーティングは困難な方法です。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)