ここではフッ素樹脂コーティングの特性の一つである耐摩耗性について解説しています。また実際にその特性を活かした用途や実例についても紹介しています。
耐摩耗性とは動作する機械部品などが引っかきや金属的接触によって摩耗の耐える性質のことです。耐摩耗性を上げるためには硬度の高い材質のものを使用する他に、コーティングで部品の表面硬度を強化する方法があります。
フッ素樹脂は耐摩耗性がある素材として知られ、すべり性や非粘着性もあることからフッ素樹脂コーティングをすることで機械設備などの寿命を延ばす効果が期待できます。また部品交換等の頻度が低くなるのでコスト削減にもつながります。
フッ素樹脂コーティングはそれだけでも耐摩耗性を確保できますが、さらに硬度を上げるために有機バインダー樹脂やセラミックなどと組み合わせる複合コーティングを行うこともあります。
耐摩耗性の用途としては工業用機械の部品があります。製薬会社で金属に触れると錠剤が変色するためフッ樹脂コーティングを行ったところ、錠剤の割れや欠けが減ったことに加えて耐摩耗性が功を奏し、作業効率がアップした例もあります。
耐摩耗性を目的とするコーティングは単に硬度を上げることだけに絞って行うとかえってコストが上がってしまうことがあります。フッ樹脂コーティング以外にも耐摩耗性を上げる表面加工方法はありますが、費用対効果を総合的に考えることが重要です。
インキを落とすシュートの摩耗がひどく、耐摩耗性を上げるとコスト高になる問題があったケースでは、実はシュートを洗浄することで摩耗が激しくなっていることがわかり非粘着性を上げるフッ素樹脂コーティングで摩耗まで減ったケースもあります。
お客様より、「摩耗が激しく加工が長持ちしない。離形もよく、摩耗にも強いコーティングをしてほしい。」と依頼がありました。フッ素樹脂毎に膜厚や硬さはほぼ決まっています。そこで、膜厚をあつくし、硬さを作るため、溶射加工をお客様に提案いたしました。
溶射加工は、厚い被膜が作成され、その上にフッ素樹脂コーティングをすることで、摩耗にも強くなり、また、離形もあることを説明し加工しました。膜厚がつき、表面硬度も強くなり、お客様の要望にこたえることができました。
引用元:株式会社関西技研公式ページ
(https://www.ka-giken.com/fusso/voice.html)
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)