フッ素樹脂コーティング加工の現場では、基材の搬入と確認から始まり、不純物の除去と下地処理の後にコーティング作業へ入ります。また状況に応じて、乾燥と焼成作業を繰り返します。
フッ素樹脂コーティングは、単にコーティングするだけではありません。さまざまな工程が含まれているため、技術やノウハウ、設備が必要です。
まずは取引先より基材を受け入れて、倉庫内へ搬入します。
搬入後は、基材の数量や材質、形状、傷などを確認。あわせてフッ素樹脂コーティングが可能かどうかの判断・受注内容の確認を行い、不備があれば取引先へ連絡します。
基材の受け入れ作業が済んだ後は、脱脂処理をします。脱脂処理とは、基材表面に付着している不純物や油を落とす作業のことです。
脱脂処理は、空焼きと溶剤洗浄の2種類から構成されています。
空焼きの場合は、バッチ炉で焼成温度より高い温度で加熱し、表面の不純物を除去します。焼成の際、基材は最高で400℃近くの温度で加熱する場合もあります。また空焼きに適していない基材の場合は、溶剤洗浄で表面の汚れや油分などを落とし表面を綺麗にします。
脱脂処理で不純物を落とした後は、下地処理に入ります。下地処理とは、基材とフッ素樹脂の接着性を高める作業のことです。
基本的にはブラストと呼ばれる作業で、基材表面の錆びや細かな汚れを落とし、表面の粗さを3µm~6µmまでに抑えます。また耐久性を高める目的で、ブラスト後に金属やセラミックを溶射。ブラスト作業に適さない基材の場合は、エッチングや化学被膜処理を行います。
下地処理の後は、フッ素樹脂コーティングへ進みます。
基材の材質によっては、エアスプレーや静電粉体スプレーなど様々な道具を使用。コーティングの回数は、基材の種類や加工目的によって変わります。
フッ素樹脂コーティング加工後は基材を乾燥させたのち、焼成炉の中で焼成(焼き付け)作業を開始。焼成炉内の温度は、一般的に400度程度まで達します。皮膜が厚い場合は、乾燥と焼成の工程が何度か繰り返されます。
焼成作業後は、顧客と企業とで合意した仕様に基づき、外観の目視確認と物性機能の検査を実施。その後コーティングの状態を確認し、梱包および出荷作業を行います。ここまで対応して全工程完了です。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)