ここでは表面処理加工の中でもフッ素樹脂コーティングに絞り、どのように利用されているか実際の加工事例を集めました。
引用元:フロロコート名古屋公式サイト
https://www.fluorocoat-nagoya.co.jp/service_case01.html
自動車などのメッキ工程でメッキ液の液温を上昇・維持するためのヒーター。
使用し続けていると熱交換器の表面にスラッジが付着し、熱伝導が低下するため、定期的に清掃が必要。
以前は、工場のラインを停止し外注業者に依頼し一日がかりでスラッジの除去作業を行っていた。
また、スラッジは石のように硬く、木槌で叩いて除去していたため熱交換器が変形又は破損していた。
引用元:フロロコート名古屋公式サイト
https://www.fluorocoat-nagoya.co.jp/service_case01.html
ふっ素樹脂コーティングを行うことで、清掃時間が2~3時間まで短縮でき、更に水で流すか又は柔らかい布で軽くこする程度でスラッジが簡単に除去することができるため、作業時間の短縮・労力の低減、熱交換器本体が破損することがなくなりました。
効果
引用元:株式会社フロロコート名古屋公式ページ
(https://www.fluorocoat-nagoya.co.jp/service_case01.html)
すべり性、難付着性
金属と樹脂、ゴムが摺動する場合には摩擦力が安定せずに、異音が発生する場合があります。この対策として低摩擦性に優れた固体潤滑剤である、二硫化モリブデン、PTFEを含んだドライ潤滑コーティングを行う事により、摩擦力が安定し異音防止に効果を持たせる事が可能です。同時に固体潤滑剤の働きで耐摩耗性を付与できる機能コーティングとして活用されています。
引用元:日本エムティ株式会社公式ページ
(http://www.n-mt.co.jp/?p=1154)
すべり性(低摩擦性)
依頼内容
タイヤの型付け(フォーマー)工程で、仮成形した未加硫ゴムに滑り剤を塗布し、油圧で成形していた。均一にタイヤの型付けが出来ない場合、バランス不良となる。滑り剤は、タイヤにとっては異物であり、使用は避けたいが変わるものがない。
提案内容
液体までの摩擦係数の低減は難しいが、固体の中ではPTFEが一番低μであること、 尚且つブラストとめっきという硬い凹凸をプラスする複合技で提案
結果、滑り剤の使用を2回/日に減少でき、合わせて変形不良も減った。
引用元:タイメットコート株式会社公式ページ
(https://fact-link.com/mem_content.php?pl=jp&mem=00005989&page=00013356#3)
すべり性
色変え作業時には、印刷機器の完全な洗浄が必須であり、作業者への負担となっていました。 また、環境問題や原料の高騰などから、塗料やインクの回収率の向上と洗浄廃液及び廃棄費用の低減は大きな課題でした。
印刷機器(容器・ドクター部品・カバー等)に洗浄を容易にするフッ素樹脂コーティングを提案しました。当社のフッ素樹脂コーティングを採用する事によって①塗料・インクの付着が少なくなる事によって、色のこりや塗料凝固物(異物)の混入が軽減できます。
②色替え時間が短縮され、操業率が向上します。③容器への非粘着効果により、塗料・インクの回収率が高まります。④洗浄時の作業者の負担が軽くなります。⑤洗浄時の廃液及び廃液処理費用の低減により環境負荷を低減します。
引用元:日本フッソテクノコート株式会社公式ページ
(http://www.nf-technocoat.com/example/kagaku.html)
難付着性、非粘着性
めっき・洗浄工程にて、製品保護に塩ビポリエチレンの被服で対応していました。しかし、被服がすぐにボロボロになるので、テフロンRコーティングを使用。すると、治具が長持ちするだけでなく、メンテナンスも楽になりました。
引用元:株式会社淀川acc公式ページ
(http://www.yodogawa-acc.co.jp/case.html)
耐熱性
水をかけての冷却工程において、跳ね返った冷却水の飛散防止のために、毎回周囲を鉄板で覆わなければなりません。鉄板が大きく重いため、設置・撤去に多大な労力がかかる上、転倒などの危険性もあります。布製カーテンでは耐熱性などに問題があり、今まで導入できなかったようです。
非常に耐熱性に優れた両面フッ素コートガラスクロスを提案。
ガラスクロスは600℃の連続使用に耐えることができます。軽量で柔軟性もありますので、カーテン状に縫製し、吊り下げ用のハトメ、吊金具を取り付けました。
引用元:蒲田工業株式会社公式ページ
(https://www.kamata.co.jp/html/solution/case/id-00554.html)
耐熱性
半導体製造装置を構成するパーツの耐薬品性や高純度性を目的としてフッ素樹脂成型品を採用しているが、機械強度が要求されるパーツには、フッ素樹脂単体の成型品が採用出来ませんでした。
パーツを樹脂製から金属製に変更し、その金属製パーツに耐薬品性及び高純度性に優れているフッ素樹脂コーティングによる被覆を提案しました。
当社のフッ素樹脂コーティングを採用することによって
① 金属製パーツの採用が可能になり、機械強度が確保出来ます。
② 耐薬品性が確保され、腐食雰囲気による装置の劣化が防止出来ます。
③ 高純度性が確保され、金属イオン溶出による装置汚染が防止出来ます。
④ 撥水性が確保され、薬液の残液や汚染物質の付着が軽減出来ます。
引用元:日本フッソテクノコート株式会社公式ページ
(http://www.nf-technocoat.com/example/index.html)
耐薬品性、耐蝕性
お客様より、「摩耗が激しく加工が長持ちしない。離形もよく、摩耗にも強いコーティングをしてほしい。」と依頼がありました。フッ素樹脂毎に膜厚や硬さはほぼ決まっています。そこで、膜厚をあつくし、硬さを作るため、溶射加工をお客様に提案いたしました。
溶射加工は、厚い被膜が作成され、その上にフッ素樹脂コーティングをすることで、摩耗にも強くなり、また、離形もあることを説明し加工しました。膜厚がつき、表面硬度も強くなり、お客様の要望にこたえることができました。
引用元:株式会社関西技研公式ページ
(https://www.ka-giken.com/fusso/voice.html)
耐摩耗性
撹拌タンク
洗浄性の向上を目的として使用されます。有機溶剤系の場合は帯電防止仕様が多く使われます。昨今は金属イオンの溶出防止を目的としたフッ素樹脂の採用が多くあります。
撹拌翼
撹拌タンクとセットで使用されます。パドル翼・アンカー翼・リボン翼など形状は問いません。耐食用途や付着防止用途、金属イオン溶出防止用途で使用されます。
引用元:日本フッソ工業株式会社公式ページ
(https://www.nipponfusso.co.jp/solution/example/mixture/)
耐蝕性、難付着性
酒醸造の工程では原材料となる米を、釜で蒸し、クラッシャーロール等で広げながらコンベア等で搬送します。しかし、蒸米は各部品に付着し、スムーズな搬送や攪拌に支障がありました。また、部品や機器に付着物が残ることは、品質や衛生面に大きく影響を及ぼすために、徹底的な洗浄が必要であり、作業員に負担がかかっていました。簡易的に離型剤を塗布する場合、洗浄後の再塗布の手間やコストも課題でした。
蒸米が付着する蒸米釜、クラッシャーロール、ロッカーバルブ等搬送部品に対して、
付着防止のフッ素樹脂コーティングをご提案しました。
当社のフッ素樹脂コーティングを採用することによって、
①蒸米の付着が軽減され、スムーズな搬送・計量が可能となりました。
②洗浄ごとの離型剤塗布が不必要になり、作業性が良くなった事で作業効率が向上しました。
③部品や機器に付着した蒸米や澱粉質の洗浄が容易になり、
洗浄時間の短縮、洗浄水・洗剤が低減しました。
④洗浄できずに固着・乾燥した米や米澱粉質も、へばりつく事なく簡単に落とす事が可能となり、
残留材料による品質、衛生面への悪影響の抑制する事ができます。
引用元:日本フッソテクノコート株式会社公式ページ
(http://www.nf-technocoat.com/example/food.html)
難付着性
1)医療用チューブ溶着の際に必要な細線への離型性、滑り性、平滑性コーティングが可能ですかと問い合わせがありました。
2)医療用金属バルーン作成の為の仮治具への離型性コーティングが可能ですかと問い合わせがありました。
3)医療用金型への離型性コーティングが可能ですかと問い合わせがありました。
提案内容
平滑性目的のフッ素コート、離型性目的のフッ素コート等、必要に合わせたフッ素コーティングを提案しました。さらに、コーティング方法についてはディッピング・スプレー方式の提案もしました。
結果、実績
提案したフッ素コーティングの離型性、滑り性、平滑性に満足され、医療用チューブ溶着の際に必要な細線、金属バルーン作成の為の仮治具等に採用されました。
引用元:安達新産業株式会社公式ページ
(https://www.adachi-new.com/archives/case/case015)
すべり性、難付着性(離型性)
全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)