様々な特性を持つフッ素樹脂コーティングですが、毒性があるという話を耳にした人も多いでしょう。そもそもフッ素樹脂コーティングに毒性はあるのでしょうか?このページでは、フッ素樹脂コーティングの毒性について分かりやすく解説していきます。
フッ素樹脂は有害という話もありますが、決して有害な物質というわけではありません。フッ素樹脂は耐薬品性も高く、医療機関で手術器具・輸血用のチューブなどの内面にも塗られている素材です。そのためフッ素樹脂が身体の中に入り込み悪影響をきたすのであれば、医療器具などには決して用いることはないでしょう。また基本的に安全性が高いと認められているからこそ、医療用品だけでなくフライパンや炊飯窯など私たちの身近な製品にも使用されています。
では、なぜ間違った認識であるフッ素樹脂コーティングに毒性があると広まっているのでしょうか?
その大きな理由として「高温加熱した際に有毒ガスが発生するリスクがある」「加工時に使用するPFOA(ペルフルオロオクタン酸)とフッ素樹脂が体内に蓄積するリスクがある」という二つの点が挙げられます。
まず「高温加熱した際に有毒ガスが発生するリスクがある」点ですが、フライパンなどのコーティングに用いられるフッ素樹脂PTFEの場合、連続使用温度は260度と言われており、非常に高い温度です。そのため一般的な使い方をしていれば有毒ガスが発生する心配はないでしょう。ただ食材を入れずに空焚きの状態で260度以上の温度まで上がった場合には、有毒ガス発生に注意が必要となります。もし空焚きの状態に気が付いたときは換気をスグに行ったうえで、体調不良時には医療機関を受診してください。
つぎに「加工時に使用するPFOA(ペルフルオロオクタン酸)とフッ素樹脂が体内に蓄積するリスクがある」という点ですが、このPFOAはフッ素樹脂を製造する際に補助剤として用いる人工的な化学物質です。自然界に存在しないため、体内に入ると毒性が高いのではないかと不安視されていました。そこでアメリカ環境保護局によって「スチュワードシッププログラム」というPFOAの自主削除プログラムに複数のフッ素樹脂製造メーカーが参加。その結果、今作られているフッ素樹脂コーティングが施された製品にPFOAは含まれていません。そのためPFOAに対する不安を抱える必要はないでしょう。
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全国のフッ素樹脂コーティング会社を調査し、上の選び方ポイントを踏まえたうえで、全国3拠点以上の事業所(従業員数80名以上)を保有し、またコスト品質納期(QCD)が厳しい自動車業界での実績があり、多種多様なフッ素樹脂コーティングを取り扱う会社3社をピックアップしました。(2021年5月時点調査)