フッ素樹脂コーティングは、金属やガラス、セラミックスなどの基材表面にフッ素樹脂を塗布し、高温で焼き付けることで特殊な被膜を形成する表面処理技術です。この技術の最大の特長は、フッ素樹脂が持つ特異な分子構造に由来する複数の優れた性質を、基材の表面に付与できる点にあります。
例えば、粘着性のある物質が付着しにくい非粘着性や、固体物質の中で最も摩擦係数が低く滑りやすい低摩擦性を備えています。また、-240℃の極低温から+260℃の高温まで安定して使用できる耐熱性・耐寒性、ほとんどの酸やアルカリ、溶剤に侵されない耐薬品性、さらに優れた電気絶縁性も有しています。
これらの特性から、家庭用のフライパンや炊飯器の内釜といった身近な日用品だけでなく、食品製造ラインの型や半導体製造装置、化学プラントの配管、自動車部品など、厳しい使用環境下でも安定した性能が求められる幅広い産業分野で活用されている技術です。
フッ素樹脂はそれ自体が非粘着性(他の物質とくっつかない性質)に優れているため、そのままでは金属などの基材にも定着しにくいという特徴を持っています。そのため、いかにフッ素樹脂を基材に密着させるかが加工の鍵となります。そのアプローチの違いによって、コーティングは大きく「ワンコート」と「多層コート」の2種類に分類され、用途や求められる耐久性に応じて使い分けられています。
ワンコートとは、1回の塗装と焼き付けで完了する単層のコーティング手法です。ワンコート用の塗料には、フッ素樹脂成分に加えて、基材との接着剤の役割を果たすバインダー樹脂があらかじめ混合されています。
この塗料を基材に塗布して高温で焼き付けると、熱によってバインダー樹脂が基材側に沈み込み、フッ素樹脂成分が表面側に浮き上がってくる「層分離」と呼ばれる現象が起きます。この仕組みによって、1回の塗装工程だけで基材への接着と、表面の非粘着性の両立を実現しています。
多層コートは、基材との密着性を高めるための「プライマー(下塗り)」と、フッ素樹脂の性能を最大限に発揮させるための「トップコート(上塗り)」の、2層以上で構成されるコーティング手法です。用途や求められる耐久性によっては、さらに中間層を挟んで3層以上の厚い構造にすることもあります。
加工の手順としては、まずバインダー樹脂を主成分としたプライマーを基材に塗布し、焼き付けまたは乾燥させて強固な土台を形成します。次に、その上に純度の高いフッ素樹脂を含んだトップコートを重ね塗りし、再度高温で焼き付けを行います。基材との確実な接着をプライマーに任せることで、表面には不純物の少ないフッ素樹脂を使用できるのが大きな特徴です。
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様々な機器や部品などに加工を施すことで、耐性を付与できるフッ素樹脂コーティング。耐性を持たせるのは性能を向上させるだけではなく、安全性に直結することも理由のひとつです。
どんな耐性を持たせたいか、どんな仕上がりを求めているのかによって加工メーカーをしっかり検討するようにしましょう。ここでは、用途別におすすめのフッ素樹脂コーティング加工メーカーをご紹介します。
引用元:フロロコート名古屋
https://www.landingpage-synergy.com/Y3dpVfRU/
鉄/SUS/ゴム/銅/真鍮/PPS/ガラス/FKM/CFRP/PEEKなど
引用元:吉田SKT
https://www.y-skt.co.jp/
※公式に基材情報なし、カタログをダウンロードしてご確認ください。
引用元:日本フッソ工業
https://www.nipponfusso.co.jp/
セラミック/CFRP/石英/鋼/鉄/鋳鉄など