PBI樹脂はスーパーエンジニアリングプラスチックに分類され、プラスチック素材の中では高い耐熱性を示します。一方、フッ素樹脂は異なる特性を持つため、用途に応じて使い分けられます。本記事では、PBI樹脂のメリット・デメリットに加えて、フッ素樹脂とPBI樹脂の違いも解説しますので、フッ素樹脂コーティングを依頼する際の基礎知識として参考にしてください。
PBI樹脂は「ポリベンゾイミダゾール樹脂」と呼ばれる合成樹脂で、NASAとAFMLによる共同研究で開発された素材です。PBI樹脂は耐熱性が高い特性を持ち、これを活かして金属・セラミック・カーボン系材料の代替として採用される例もあります。
PBI樹脂は非常に高い耐熱性を備えており、これが主要な特性のひとつです。熱分解温度は約550℃で、消防士の装備に使用されている実績もあります。熱伝導率・膨張率ともに低く難燃性も備わっているため、高温になる環境下での利用に適しています。
参照元:(PDF)総務省消防庁「消防隊員用個人防火装備に係るガイドライン(改訂版)について(通知)」
(https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/assets/290307_syou44.pdf)
PBI樹脂は引張・曲げ・圧縮などに対して高い強度を持ちます。また耐摩耗性が高いことから擦れにも強く、切削加工時には刃物の摩耗が激しくなるほど、非常に硬く高い耐摩耗性を有しています。
PBI樹脂は耐薬品性と耐エネルギー性も持ち合わせており、有機溶剤や酸を使用する環境でも使用実績があり、安定性の高い素材とされています。また耐プラズマ性や耐放射線性を持つこともあり、半導体製造装置や電子分野における部品の素材として採用されることも少なくありません。
PBI樹脂は他にない優れた特性を持つため、他のプラスチックより高価になります。材料費を抑えたいと考えた場合は候補に上がりにくいかもしれませんが、耐久性の高さから劣化しにくいことを考えると、長期的なコストパフォーマンスに優れる可能性はあります。
熱分解温度が高いという特徴から、成形の際には圧縮成形と切削加工を組み合わせることが一般的であり、樹脂成形機での溶融成形ができません。そのため量産加工が難しく、対応できる業者が限られることもデメリットでしょう。
PBI樹脂は吸水率が高いため、水分や湿気の多い環境での使用には注意が必要です。そのような環境で使用すると、寸法精度の維持が難しくなる場合があり、特性への影響も考慮する必要があります。
プラスチックの中でも特に耐熱性に優れているPBI樹脂は、フッ素樹脂と比較しても熱に対してより優れた耐性を誇ります。また耐プラズマ性・耐放射線性があることも、フッ素樹脂との違いのひとつです。しかしフッ素樹脂には、非粘着性・高い電気絶縁性・耐候性などの特徴があり、用途によってはPBI樹脂よりも適しているケースも多くあります。両者の特性を理解し、環境に合わせて選定することが重要です。
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